2009年12月19日土曜日

ゴルフ修行inゴールドコースト

先週は一週間休暇を頂いて、オーストラリアはゴールドコーストへと行ってきた。目的はもっぱらゴルフ修行。今シーズン不甲斐ない成績で終わっていたことから、来シーズンに向けて、「何かを得たい」という気持ちが強く、思い切ってオーストラリアのゴルフスクールへ短期で入ってみることにしたのだった。この時期、南半球のオーストラリアは現在真夏のハイシーズン。ブリズベン空港から南に1時間車を走らせたサーファーズパラダイスにはサーファーや観光客で賑わっている。しかし、自分はこのサーファーズパラダイスを素通り。そのままもう少し南へと車を走らせ、海岸から15分内陸のVarsityLakeのアパートへと向かった。到着してみると、これが素晴らしく広々としたアパート。洗濯機と乾燥機が完備されている他、リビングには大型テレビとステレオが。そして素晴らしく大きいキッチン!

翌朝早速ゴルフ場に車を走らせ、スクールに顔を出すと、ティーチングプロのオーストラリアの女子プロAnnと面会。Annは現役時代はオーストラリアのツアープロでありプレーヤーとして非常にレベルが高いだけでなく、シンガポールのナショナルチームのコーチを行うなど、ティーチングプロとしての経験も豊富だ。実際Annは素晴らしいグリップとバックスイングをしていて、Annのスイングを見ているだけで勉強になることが多かった。

最初に簡単なオリエンテーションを済ませると早速「仕事」に取りかかった。まずは軽くストレッチをして、それから球を打ち始めてウォームアップ。20分ぐらいボールを打つと今度はスイングをビデオにとって、オフィスの中へ。パソコンをつかってスイング解析を行った。これまでも自分のスイングをビデオにとったことは何度もあるが、しかしいつみても「がっかり」するものである(笑)。しかしこうしてビデオを見ながら、何を直さなければならないかをAnn話し合った結果、「まずはバックスイングを直そう」ということで合意した。ビデオにとってみると明らかであるが、自分のバックスイングはスイングプレーンを外れてインサイドに引き過ぎていたのである。その結果ダウンスイングで手首のローリングを使ってフェースをインパクトで合わせる動きが癖になっていた。「なんて酷いフェースの使い方なの!」思わずAnnものけぞった。「こんなに位置からクラブフェースを最後に合わせていけるなんて、あなた凄い運動神経があるわ。でもこれではいつかミスが出てしまう。まずはバックスイングでの手の使い方をマスターしましょう」。そうして、そこからは、Annが組んだメニューに従って、まずはスイングプレーン矯正器具を使って軌道の確認を行って、その後15分ボールを打ち、今度は鏡でバックスイングの軌道を確認。そしたらまた矯正器具に戻って練習、このルーティンを徹底的に繰り返すことにした。

実は自分は今シーズン時々「シャンク」というミスに悩まされていた。シャンクとはクラブフェースが極端に開いて入って来て、場合によってはクラブのネックの当たりにあたってボールが真横に飛んでしまうという、とんでもないミスである(笑)。しかし実はこのミスはプロでも出ることがあるもので、あのタイガーウッズでさえ試合でシャンクのミスをしたことがある。自分もかつてシャンクが出た事があったが、しかし最近はそれが試合でもよく出て困っていた。試合でシャンクが出てると、一気にスコアを崩してしまうため、シャンクの克服が一番の課題だったのである。そこで自分なりにいろいろ考えてみたが、クラブが開いてくるということで、最初からクラブフェースを閉じて上げようとして、徐々にインサイドに上げるようになっていったのだが、実はこれが全くの逆効果!で、これによって、ダウンスイングで右手が下から入り易い状態をつくってしまっており、実はこれが原因でシャンクが出ていたのだ!今回Annのアドバイスでスイングを変えてみて、この事がはじめて分かった!実際、先週は3回のラウンドをしたが、シャンクは一度も出ずに済んだのである。

このようにして、スイングの矯正と、それ以外にグリーン周りのショートゲームの練習をして、初日はあっという間に過ぎたが、目から鱗の手応えの大きい一日であった。

さて、だいたい17時頃に練習を終えると、そこからのパターンはもうだいたい決まっていた。何しろ、真夏のオーストラリアの日差しを受けて、35度の気温の中での活動で、17時にもなるとへとへと。スーパーによって、食材を買い出し、家に帰ってビールを飲んで夕飯を食べてすぐに寝てしまう、の繰り返しだ。しかし、本当に暑いので、身体を冷やす必要がある、ということで、とにかくスーパーにいくと、トマトやキュウリなどの夏野菜を多く買い込み、これらを食べただけでなく、日焼けの酷いところには、きゅうりの輪切りを貼った(笑)。あとは、毎日大きなキッチンをゆったり使って久しぶりのヨーロピアン料理を楽しんだ。

買い出しは近所のとてつもなく大きいショッピングモール、Robina Town Centreに行く事が多かったが、オーストラリアはさすが食料自給率200%だけあり、食材は非常に豊富だ。陳列棚の間を歩くのが非常に楽しい。折角なので、日本ではあまり食べられないものを食べようということで、野菜ではクルジェット(ズッキーニ)などを買ってみた(左はクルジェットのパスタカルボナーラ)。それ以外は、やっぱりオーストラリアは肉が美味しいので、まあ、毎日カロリー消費は多いのでいいだろう、ということで、殆ど毎日肉を食べていたが、とくに子羊が大変美味であった。子羊は保温効果があるので、本当は熱射病になりそうなときに食べるのはよくないのであるが、その味にあっさり負けて、何晩か子羊を楽しんだ。ローズマリーのハーブとの相性が何しろ抜群である。

さて、こんな感じで毎日が過ぎて行き、朝は6時に起床。朝食を食べてカフェオレを飲み、昼の弁当を作って、8時にはゴルフ場へ。昼の弁当をつくっていくというのが、オランダ時代の社交ダンスの試合を思い出させて懐かしい感じがした。そして、17時まで練習とコースのラウンドをして暑さと疲れでバテバテになって、家にたどり着いたら、ビール一杯飲んでから、料理に取りかかる。こんな様子で殆どゴルフ一色。おまけに丁度行った週がAustralian Open ChampionshipとAustralian PGA Championshipの週に挟まれていたこともあり、テレビでもゴルフをよく見ていた。

このゴルフスクールには自分以外にも15名ぐらいの人がいて、殆どが1年単位で滞在している(中にはプロを目指している人もいる)。国籍は圧倒的に韓国が多い。最近の韓国は女子プロの世界的躍進が凄いだけでなく、男子でも昨年はタイガーを一騎打ちでやぶったY.E. Yangが国民的スターになっている程。国民的ゴルフ熱が高い。それ以外にもイギリス人のRay。彼とは2度一緒にラウンドしたが、彼は190cmの長身でゴルフの母国イギリスのシングルハンデ。オーストラリアの海岸沿いの強風の中でも、ノックダウンショットで低く球をコントロールする技術に優れており、最終日のコンペでは3ホール連続バーディのおまけ付きで36-34の通算2アンダーで周り、優勝を飾った。しかし何より驚いたのが、彼の本職がblacksmith(鍛冶屋 or 馬の蹄鉄打ち)であったことだ!それ以外には、タイ出身のタード。タイに帰ったら何するの?と聞いてみると、「ゴルフ」と返って来た(笑)。27歳の彼は家が大変裕福らしく(封建領主のような家なのだろう)、生まれてこのかた仕事をしたことがないとか。こういう人に会うと、改めて「働く意味」ということを考えさせられる。自分は仮にお金に困ってなくても仕事をしたいと思うだろう、それは仕事を通じて得られるものが大きいからだ。しかしまた逆に考えてみると、仕事ができる環境にあるのであれば、お金のために働くというのでは、あまりにも惜しい、ということだ。

このように実はゴルフだけでなく、いろんな人との出会いもあり、なかなか得る物が多い一週間となった。ちなみにオーストラリアについては、今回で訪問するのが、4回目。最初は高校生の時に奨学金を頂いてシドニー大学に2週間滞在。その後は、ケアンズでダイビングをして、2年前には仕事でメルボルンへ。ゴールドコーストは今回が初めてであったが、今回の印象としては、かなり「バブル」な印象であった。確かにオーストラリアは資源国で、原発に不可欠なウランの埋蔵量も世界屈指で豊富。今後も期待される新興国の経済成長に伴う資源需要で潤うのは間違いないだろう。しかし感覚的には、人口に対して、住宅が立ち過ぎの感あり。人口で言うとオーストラリア全土でも2200万人、Queensland州では400万人だ。その割に新興住宅地が非常に多く発生している。ぱっと見供給過剰であり、今後の不動産バブルが気になる。

それ以外に今回思ったのは、タイ出身のタードのように、世界にはうなる程お金を持っていて、使い道に困っているという人が大勢いる、ということだ。勿論、20世紀に最もお金持ちとなったのはアメリカの一部の人達であったが、タイなどの東南アジアや、中東のオイルマネー、ロシアの資源マネー、それ以外の地域でも、勿論日本を含めてとにかく使い道に困る程お金をもっている人はどこの国にも大勢いるものである。オーストラリアのゴールドコーストという土地が、そういう人達を惹き付けているのは間違いないだろう。何が要因かといえば、大きなものはやはり環境だろうと思う。海と太陽があって、人が少ない。そして英語が通じる!とにかくこういう人達を相手に商売ができる、というのは楽だ(笑)。

一方でふっと思ったのは、ちょっと飛躍しているが、世界中で皆が英語で話すようになったら、なんてつまんない世の中になるのだろうか、ということだ。特にオーストラリアがアメリカと同じく(アボリジニーは別として)移民が始まってからの歴史が浅くカルチャーに乏しいせいもあったかも知れない。英語以外の言語にももっと親しむようにしたいと何故か思った一週間であった。






2009年11月29日日曜日

第6回サロンdeリオ: The Taste of Winter

昨日第6回サロンdeリオを開催。

今回のメンバーは、サロン常連の議員秘書H氏と国際金融マンのK氏。それから今回初参加の記者T氏に、同じマスコミ関係のS女史。更に外資系のマーケティング会社のC女史と同僚でいつも週末忙しくしているM女史に急遽集まって頂いた。

というのも、今回は、福井の親戚から何と今が旬のズワイガニを発送してもらうこととなったため。オスのズワイガニは20歳ぐらいのかなり立派なもの。ちゃんと足にも越前ガニのブランドを示す黄色いタグがついている。東京マラソンを控えて今日も走り込みをして空腹のT氏はじめ、カニを囲んで暫し無言で手が伸びる。たくさんのカニではあったが、あっという間に殻の山が築かれた。

さて、今回スターターが越前ガニ、というサロンdeリオ創設以来最も贅沢なコースであるのは間違いなかったが、越前ガニの後を何で繋ぐかには、結構頭を悩まされた。まさか、カニで日本酒を飲んでいるっていうのに、その次からヨーロピアンに変える訳にもいかないし、やはり日本酒が美味しく飲めるように、何か素材を活かしたシンプルなものにしよう、ということで伊勢丹に買い出しに。しかし、いいアイディアが見つからず、結局何も買わずに別のスーパーを当たってみたが、最後に手頃な鮟鱇があったので、昆布出汁だけの鮟鱇鍋に決定。その後も、鳥鍋に移行して4時間以上も飲んで食べて、大いに語って盛り上がった。食事が終わると、持ち寄って頂いたデザートに。行列ができて午後には売れ切れてしまうという貴重な吉祥寺のチーズケーキに、上品で取り分けのし易いワッフルを皆で頂き、最後はインドの紅茶でしめ。

今回は常連の2名が中心となるも、それ以外は初参加の多い会であったが、沢山のお酒やカニを囲んで、すぐに打ち解けた雰囲気となり、マスコミ、政治、資源ビジネス、鵜飼、など幅広い話題に花が咲いた。また、翌日が誕生日であったこともあり、12時過ぎまで残ってお祝いもして頂いた。

お集り頂いた皆様、本当に有り難うございました!




2009年10月16日金曜日

コーヒーチェーンにて。

「実は、今日が最後なんですよ」。

いつも出社前にコーヒーを飲んでいるタリーズコーヒーにいつものように足を運ぶと、てきぱきと気持ちよくお客さん対応をする店長さんらしき人から、注文の際にこのように伝えられた。

この店長さんらしき人は、見た目の年齢は20代後半ぐらいに見えるが、とてもしっかりしているので、実際にはもっともっと年上の人かも知れない。

声が大きく、店内によく通る声で挨拶する。

「ありがとうございました!いってらっしゃいませ!」

実は、この店に通うようになる前は、向かいにある別のチェーン店に行ってコーヒーを飲んでいた。それは、その後電車にのるのにそっちの店の方が駅に近いからである。しかし、あるときタリーズコーヒーに来てみると、この店長さんの対応がとても気持ちよかったため、それ以来こちらのお店にくるようになっていたのだ。

タリーズコーヒーでの接客業は、決して複雑なことをもとめられるものではないだろう。入ってくるお客様を迎え、注文をとり、会計をすまし、コーヒーを入れる。それぐらいの工程である。しかし、この店長さんがやると、他のバイトの人とは、明らかに違う。これだけの工程のものなのに、これ程までに差が出るものか、と思わせる程だ。そして客足が弱まると、バイトの店員さんにいろいろと指導を行っているが、これを聞いていると、店長さんがいかにサービスの細かいところに気を配っているかがわかる。

しかしだ。「今日が最後なんですよ」という言葉を聞いて、「そうなんですか!それは残念です」と思わず言ったものの、その瞬間、「この人は実はバイトだったのだろうか。だとしたら、いったいどんなバイトの人だろう」と思っていた。サービスやブランド理論の本を読むと、いろんな素晴らしい例が出てくる。素晴らしい例の共通点というのは、コーヒーチェーンの店員でも、バスのドライバーでも、だいたい自分の仕事をそのような枠にはめて考えるのではなく、自分のミッションを定義しなおして行動できる、というところにある。この店長さん、あるいはバイトの方は、まさにそういう人なんだろう。

「いつも本当にどうもありがとうございました。またいつかどこかで何かをはじめられる時はぜひご連絡ください。いつでも顔を出しますので」。

といって、自分の名刺を帰り際にお渡しし、そのまま会社へと向かったのであった。

2009年10月6日火曜日

日本女子オープンゴルフ


一昨日の土曜日に、日本女子オープンゴルフ選手権を見に行って来た。

女子ゴルフは現在スター選手揃いで見所が満載。今回も今年アメリカで勝った宮里藍ちゃんはじめ、上田桃子、横峯さくら、今年6勝の諸見里しのぶ、古閑美穂、今年3勝の有村智恵など。スタート時間に合わせて選手が順番に練習場に姿を表すと、それだけでギャラリーも沸く。こっちも朝早くから行って、練習場の一番前に陣取り、各選手のスイングをしっかりチェックした。

しかしさすが日本一を決める大会の決勝ラウンド、どの選手も本当に素晴らしいボールを打っている。クラブが上から入って来て、ボールをクリーンにヒットするその打ち方は、アマチュアとは全く違うといってよい。しかも下半身が静かで、インパクトまでが本当に丁寧に入ってくるので、ショットが全くブレない。

しかし今回びっくりしたのは、何と言っても韓国勢の多さだ。結局優勝も韓国のソンボベ選手が勝ち取っただけでなく、ローアマ(アマチュアの1位)も韓国の高校生が取って行ったが、それ以外にも、昨年度の優勝者である李知姫、今年の全米オープンチャンピオンであるチウンヒなど。それ以外にも、それ程知られてないが、シンヒョンジュや黄アルムなどがいて、本当に素晴らしいスイングでボールを打っている。韓国勢を見て思ったのは、ひとつに皆身体が大きいこと。優勝したソンボベはじめ李知姫も170cm級である(だから、ボールもかなり飛ぶ)。それに比べて、優勝を逃した横峯さくらや宮里藍などは155cmなので、並ぶと二周りぐらい小さく見えてしまう。

そんな韓国勢の中で、最も凄いなあと思ったのは、今年日本で3勝している全美貞(ジョンミジョン)。まず、彼女はテレビで見るより遥かに大きい。身長は175cmで、一緒に回った日本の飛ばし屋三塚優子(172cm)と並んでも一周り大きく見える。彼女のスイングはこの長身を活かしたゆったりとしたもので、ウェッジからドライバーまで一定のリズムでボールをヒットする。アドレスはどっしりとしていて完璧なアラインメント。ここからテイクアウェーは上半身主導で捻って行くが、トップでのクラブの位置が完璧。さらに、トップからの切り返しのタイミングが絶妙で、下半身主導のダウンスイングに入る一瞬のタメのつくり方には、惚れ惚れする。男子ゴルフでいうと、アーニーエルスを彷彿とさせる美しいスイングだ。

今回は全美貞について18ホールのプレーをみたが、軽く放つショットがどれも素晴らしく正確であり、ラフやクロスバンカーからも正確にグリーンを捉えるショットメーキング技術には本当に感嘆するばかり。結果は68の4アンダーであったが、パットがもう少し入れば7アンダーの65は軽く行けたであろう、といった内容のプレー。今回は上位に食い込むことができなかったが、これから後半戦、必ず優勝争いに加わってくる選手だ。

現在女子ゴルフの世界では、米女子ゴルフツアーも韓国勢が完全に席巻している状態。何故韓国勢が急にこんなにも強くなったのか、その理由は分からないが、とにかく韓国勢は強い。メンタルに強いこともあるだろうが、技術がしっかりしている。今後米ツアーは不況でスポンサーが減ること考えると、これからもっともっと韓国勢が日本でプレーすることになるだろう。ゴルフ界における韓国勢の躍進はまだまだこれからかも知れない。

2009年9月23日水曜日

デフォルトネットワークのプチサロン


久しぶりのエントリー。

この数ヶ月は、仕事的にも忙しく北米やら欧州やらに出かけることも多かったが、一方世間でも民主党新政権が成立し、いよいよ日本の政治も変化の時期という様相。昨日の鳩山首相の国連演説でも、随分緊張して固くなっているように見えたが、内容としては、温暖化ガスについて、90年対比25%削減を目標とする、と言い切ったあたり、おそらく産業界との調整はまだだったろうことからして、強力な政治のリーダシップを発揮する姿勢がはっきり見えたと言えるのではないか。

さて、民主党政権の誕生した8月30日の日曜日、私はとある友人の招待により、ボリショイサーカスを見に行っていたのだが(勿論、ちゃんと投票をした後で)、そこで一緒だった講談社の雑誌の編集をしているKさんが、茂木健一郎氏の話をしていたので、最近一冊本を読んでみた。これによると、脳にはデフォルトネットワークという部分があって、この部分は忙しくしていたり、何か特別な目的を追いかけているときには、活発にならず、むしろぼんやりと、無目的に散歩などしているときに、よく働く部分だそうで、これが働いているときというのは、脳が面白いこと、創造的なことを探している時なんだとか。要するに、脳には適度なアイドリングタイムが必要で、そのような時に、面白いことを発見できたり、いいアイディアが生まれたりする、ということらしい。

そんなこともあって、この5連休は無目的に過ごしてみよう、と思って特に最初の二日間は、モスクワから戻ったK氏と、上記の雑誌の編集者でロシア担当のKさんを招いて、ロシアンスペシャルということでプチサロンを急遽開催(急遽で声をかけられなかった方々、すみません。今回はプチということで、また通常サロンを近々開催します!)。二人ともお酒が好きなこともあって、いやあよく飲んで、結局朝までコースで大いに盛り上がった。

ロシアンスペシャル、といっても、今回の料理はイタリアン。アンティパストは先週オランダから持ち帰ったチーズをつまみながら、アペリティーヴォでシャンパンを飲み、プリモピアットはゴルゴンゾーラのリゾットときのこのソテー。ライスはリゾット用がなかったので、「ミルキークイーン」を使ったら、結構よくあった。ゴルゴンゾーラチーズとグラナパダノの風味がよく出ていて、濃くのあるいい感じであった。セコンドピアットは、かじきのグリル。シンプルに塩こしょうしてオリーブオイルをかけて、グリルしただけ。あとは、ソースと言える程ではないが、レモン汁とエクストラバージンオリーブオイルにミントとタイムを加え、あとは塩こしょうで味付けしたものをかけて終わり。オーブンがないので、グリルか煮込み系しかできないのであるが、赤ワインを飲む事を考えたら、かじきぐらいの油ののった魚のグリルがよかろう、ということで、選んだものだが、ワインのつまみとしては、十分であった。

最後のドルチェ(の前にチーズをもう少し食したが)は、サロンデリオの弱点であったと認めざるを得ない。多少いい訳をすると、オーブンもミキサーもないので、デザートはどうしても難しいのであるが、言い訳ばかりもしていられないだろうということで、今回はティラミスをつくってみた。これは最近イタリア人の友人の女性が作ってくれたのが非常に美味しかったので、思い立ったものであるが、ネットでレシピを調べてみると、何故か「オーブンで焼いて...」みたいなのが多く出てくる。

さすがに、これは違うだろう、というのは私にも分かったので、どうしようかと思ったが、神戸でイタリア料理を教えていらっしゃる知り合いにアドバイスを求めたところ(本当はプロにこういうことを聞いてはいけないのですが)、ご親切にもごくごく簡単に作り方を教えて頂いた。

これを参考につくってみたのが、こちら。ちょっと甘さが足りずに上品な味となったが、まあまあの出来だったかな。何度か作るともう少しこなれてくるでしょう。

さて、デフォルトネットワーク状態で、ゆったりと食べて飲んで多いに語ったこのプチサロン。何か創造的ないいアイディアが生まれたかというと、そういうことはないが、過去数年思い返してもそうはないというぐらいに、大変リラックスできたことは間違いない。特にその前の週の欧州での苦労やトラブルを忘れ去るには、少なくとも十分過ぎるいい時であった。

2009年6月22日月曜日

第4回サロンdeリオ:The Farewell Dinner

昨日、第4回サロンdeリオを開催。今回は、昔からの友人で、この度、京都の福知山の近くに古民家を購入して、そこに拠点を移そうとしているSさんのフェアウェルディナー。Sさんは、昔ながらの趣のある古民家を改装して、日本を訪れる(教養ある)外国からのお客さまに、通り一遍でない、ニッポンの観光体験を提供することをもう長い間構想していて、今回ついにその第一歩を踏み出すこととなった。Sさんは、もてなしが非常に上手なので、きっとはるばる外国からくる人の中にもリピーターが出てくることだろう。

さて、今回はそのSさんの送別に、共通の友人4人が雨の中集まり、合計6人での開催となった。主に投資家向けの通訳をされているSGさんは、雨の中にもかかわらず、なんと着物での初登場!サロンdeリオの格付けも急上昇した。それから、前回も来てくれた新婚のI君と奥さんのSCさん。奥さんのSCさんは、今回初参加。それと、もうおなじみのご近所レギュラーのH氏。

今回は、Sさんから事前に「今回のテーマは何?」と聞かれていて、しばらく考えていたのだが、「これ」というのがなかなか思いつかずに、今日になってしまったところ、朝から生憎の大雨。買い出しに行くのも容易でない大荒れの天気だったので、「うちにいてほっとする料理」(英語で言うところのcomfort food。洗練されている食事ではないが、シェフなんかが家に帰って食べたいと思うような料理だ)にしようと思った。で、スーパーに行くと、肉類はいまいちな一方、はまぐりや魚はまあまあだったので、メインは具沢山のフィッシュスープに決定。フィッシュスープは、スペイン語では、Sopa de Mariscos(正確に言うと、これはフィッシュではなく、海鮮のスープの意味だが)というのがあって、特に魚介の美味しい北スペインのそれは本当に美味であるが、私は以前北スペイン人10人にSopa de Mariscosをつくったことがあって、これはスペイン人が日本人に味噌汁をつくるようなものだが、それでもかなり喜んで貰えたこともあって、今回もスペイン風のフィッシュスープに自然となってしまった。

あとは、フィッシュスープをソースにしてパスタかリゾットを作ろうと思ったが、一昨日新宿でロシア語のレッスンの帰りに伊勢丹のデパ地下によったら、セモリナ粉があって、買っておいたので、手打ちのパスタをつくることに。うちで一人分だけなら、適当にやるところであったが、今回はSさんの送別会ということで、パスタマシーンをつかって、きちんとつくってみた。手打ちバスタは狭い家でやるのは結構大変で、レギュラーのH氏のアシストがなければ、まずできなかっただろう。きったパスタを麺棒にひっかけて暫く持ってもらってパスタを「干す」ことができた(Hさん、ありがとう!)。具沢山のフィッシュスープから出た出汁を少し煮詰めてからめたタリアテッレはなかなかだった。

最後は、またしても、T監督制作のIさんSCさんのビデオ上映会を実施。何度見てもよくできているビデオであった。

2009年6月8日月曜日

第3回サロンdeリオ:The Return of "K"

昨日、第3回サロンdeリオを開催。今回は、昔からの友人である国際金融マンのK氏が4年間のモスクワ生活を終えて帰国したばかり、ということで、K氏の帰国お祝いパーティ兼、先日ご結婚したばかりのI氏の結婚ビデオ上映会、という超豪華版。

今回の参加メンバーは、K氏とI氏に加えて、昔からの仲間である、ジャーナリストのN氏(今回初参加)、すっかりサロンdeリオの常連となった、政治家秘書のH氏、ばりばりの金融キャリアウーマンでありながらフードコーディネーターのT女史(数年ぶりの再会)、留学時代の仲間でかつて一緒にニューヨークのブティックを冷やかしたS女史、それから、今では主婦となったY女史が元気な4歳の娘さん、それからテキサス在住時代のご友人、M女史を連れての参加となり、テーマもさることながら、メンバー、人数としても過去最大規模の開催となり、大いに盛り上がった。

今回の料理としては、昨日は久しぶりに日差しの強く暑い一日となったことから、身体を冷やす効果のある夏野菜のきゅうりとトマトを多めにつかったヨーロピアン風サラダ、それから、夏らしい料理ということで、生姜とニンニクとレモンをつかったジェイミーオリバー風ソースをかけたサーロインステーキのグリル。

しかし、今回のメインは、ヨーロッパで相当お世話になった国際金融マンK氏のモスクワからの帰国に相応しい、ロシアにゆかりのある料理ということで、キエフ風チキンを初挑戦でつくってみた。

キエフ(ウクライナの首都)風チキンとは、文字通り旧ソ連のウクライナではおなじみの料理であるが、鳥の胸肉にハーブバターを詰めて、ころもをつけて油で揚げたカツレツのことである。実は、この料理、必ずしもキエフがオリジンではない。これはフランス人シェフによるアイディアで、しかもニューヨークで生まれた料理だ(モスクワでは、これはモスクワが発祥だという説もあることを補足しておく)。19世紀後半から20世紀前半のニューヨークでロシア人相手の商売をするために、あえて「キエフ風」と名付けたもの、らしい。とはいえ、今ではキエフではどこでも食べられる定番料理のひとつと言っていいだろう。

今回は、このキエフ風チキンを少々アレンジし、オリジナルのレシピからは少し離れた。まず揚げる際に、オーストリアはウィーンのシュニッツェル(子牛のカツレツ)のように、バターを多めに使って香りとコク味を出そうとした。あとは、中身をハーブバターの代わりに、チーズとベーコン、それに東京では一般的なバジル系のハーブである大葉をつかってみた。チーズを挟むのは、フランス料理でも、Le Cordon Bleuのスタイルが有名であるが、コルドンブルーはころもをつけて揚げないので、今回のは明らかにコルドンブルーではない。いずれにしても、揚げ方も中身も違うので、キエフ風、と呼べるどうかははなはだ怪しいが、一応正式名としては、大げさに"Viennese Style Chicken "Kiev" a la Salon de Rio"(ウィーンスタイルで揚げたサロンdeリオ風のチキンキエフ)としてみた(笑)。ま、味の方はまずまずで、ゲストの皆さんにも喜んで頂けたのは何より。仕込みに手間のかかる料理ではあるが、サロンdeリオ定番メニューになりそうな予感(笑)。

これに金融キャリアウーマンでフードコーディネーターのT女史が持ち寄ってくれた具沢山でハーブを効かせた洋風トマト煮込み料理が加わり、とにかく酒がよく進んだ。飲める人が集まっていたせいもあり、夜中間際に、最後スパゲッティボンゴレで締めた時点で、ワインボトル4本、ビールの缶多数がきれいに空いていた。

ビデオ上映会の方は、今回は参加できなかったが、ディレクターのT氏の最高傑作を皆で2度鑑賞。メイキングの写真集とも照合しながら、シーンの分析を行って、再び感動がよみがえった。

昔からの仲間との久しぶりの再会を祝って、日曜日の夜にも関わらず、宴は遅くまで続いた。