2009年9月23日水曜日

デフォルトネットワークのプチサロン


久しぶりのエントリー。

この数ヶ月は、仕事的にも忙しく北米やら欧州やらに出かけることも多かったが、一方世間でも民主党新政権が成立し、いよいよ日本の政治も変化の時期という様相。昨日の鳩山首相の国連演説でも、随分緊張して固くなっているように見えたが、内容としては、温暖化ガスについて、90年対比25%削減を目標とする、と言い切ったあたり、おそらく産業界との調整はまだだったろうことからして、強力な政治のリーダシップを発揮する姿勢がはっきり見えたと言えるのではないか。

さて、民主党政権の誕生した8月30日の日曜日、私はとある友人の招待により、ボリショイサーカスを見に行っていたのだが(勿論、ちゃんと投票をした後で)、そこで一緒だった講談社の雑誌の編集をしているKさんが、茂木健一郎氏の話をしていたので、最近一冊本を読んでみた。これによると、脳にはデフォルトネットワークという部分があって、この部分は忙しくしていたり、何か特別な目的を追いかけているときには、活発にならず、むしろぼんやりと、無目的に散歩などしているときに、よく働く部分だそうで、これが働いているときというのは、脳が面白いこと、創造的なことを探している時なんだとか。要するに、脳には適度なアイドリングタイムが必要で、そのような時に、面白いことを発見できたり、いいアイディアが生まれたりする、ということらしい。

そんなこともあって、この5連休は無目的に過ごしてみよう、と思って特に最初の二日間は、モスクワから戻ったK氏と、上記の雑誌の編集者でロシア担当のKさんを招いて、ロシアンスペシャルということでプチサロンを急遽開催(急遽で声をかけられなかった方々、すみません。今回はプチということで、また通常サロンを近々開催します!)。二人ともお酒が好きなこともあって、いやあよく飲んで、結局朝までコースで大いに盛り上がった。

ロシアンスペシャル、といっても、今回の料理はイタリアン。アンティパストは先週オランダから持ち帰ったチーズをつまみながら、アペリティーヴォでシャンパンを飲み、プリモピアットはゴルゴンゾーラのリゾットときのこのソテー。ライスはリゾット用がなかったので、「ミルキークイーン」を使ったら、結構よくあった。ゴルゴンゾーラチーズとグラナパダノの風味がよく出ていて、濃くのあるいい感じであった。セコンドピアットは、かじきのグリル。シンプルに塩こしょうしてオリーブオイルをかけて、グリルしただけ。あとは、ソースと言える程ではないが、レモン汁とエクストラバージンオリーブオイルにミントとタイムを加え、あとは塩こしょうで味付けしたものをかけて終わり。オーブンがないので、グリルか煮込み系しかできないのであるが、赤ワインを飲む事を考えたら、かじきぐらいの油ののった魚のグリルがよかろう、ということで、選んだものだが、ワインのつまみとしては、十分であった。

最後のドルチェ(の前にチーズをもう少し食したが)は、サロンデリオの弱点であったと認めざるを得ない。多少いい訳をすると、オーブンもミキサーもないので、デザートはどうしても難しいのであるが、言い訳ばかりもしていられないだろうということで、今回はティラミスをつくってみた。これは最近イタリア人の友人の女性が作ってくれたのが非常に美味しかったので、思い立ったものであるが、ネットでレシピを調べてみると、何故か「オーブンで焼いて...」みたいなのが多く出てくる。

さすがに、これは違うだろう、というのは私にも分かったので、どうしようかと思ったが、神戸でイタリア料理を教えていらっしゃる知り合いにアドバイスを求めたところ(本当はプロにこういうことを聞いてはいけないのですが)、ご親切にもごくごく簡単に作り方を教えて頂いた。

これを参考につくってみたのが、こちら。ちょっと甘さが足りずに上品な味となったが、まあまあの出来だったかな。何度か作るともう少しこなれてくるでしょう。

さて、デフォルトネットワーク状態で、ゆったりと食べて飲んで多いに語ったこのプチサロン。何か創造的ないいアイディアが生まれたかというと、そういうことはないが、過去数年思い返してもそうはないというぐらいに、大変リラックスできたことは間違いない。特にその前の週の欧州での苦労やトラブルを忘れ去るには、少なくとも十分過ぎるいい時であった。