2009年6月22日月曜日

第4回サロンdeリオ:The Farewell Dinner

昨日、第4回サロンdeリオを開催。今回は、昔からの友人で、この度、京都の福知山の近くに古民家を購入して、そこに拠点を移そうとしているSさんのフェアウェルディナー。Sさんは、昔ながらの趣のある古民家を改装して、日本を訪れる(教養ある)外国からのお客さまに、通り一遍でない、ニッポンの観光体験を提供することをもう長い間構想していて、今回ついにその第一歩を踏み出すこととなった。Sさんは、もてなしが非常に上手なので、きっとはるばる外国からくる人の中にもリピーターが出てくることだろう。

さて、今回はそのSさんの送別に、共通の友人4人が雨の中集まり、合計6人での開催となった。主に投資家向けの通訳をされているSGさんは、雨の中にもかかわらず、なんと着物での初登場!サロンdeリオの格付けも急上昇した。それから、前回も来てくれた新婚のI君と奥さんのSCさん。奥さんのSCさんは、今回初参加。それと、もうおなじみのご近所レギュラーのH氏。

今回は、Sさんから事前に「今回のテーマは何?」と聞かれていて、しばらく考えていたのだが、「これ」というのがなかなか思いつかずに、今日になってしまったところ、朝から生憎の大雨。買い出しに行くのも容易でない大荒れの天気だったので、「うちにいてほっとする料理」(英語で言うところのcomfort food。洗練されている食事ではないが、シェフなんかが家に帰って食べたいと思うような料理だ)にしようと思った。で、スーパーに行くと、肉類はいまいちな一方、はまぐりや魚はまあまあだったので、メインは具沢山のフィッシュスープに決定。フィッシュスープは、スペイン語では、Sopa de Mariscos(正確に言うと、これはフィッシュではなく、海鮮のスープの意味だが)というのがあって、特に魚介の美味しい北スペインのそれは本当に美味であるが、私は以前北スペイン人10人にSopa de Mariscosをつくったことがあって、これはスペイン人が日本人に味噌汁をつくるようなものだが、それでもかなり喜んで貰えたこともあって、今回もスペイン風のフィッシュスープに自然となってしまった。

あとは、フィッシュスープをソースにしてパスタかリゾットを作ろうと思ったが、一昨日新宿でロシア語のレッスンの帰りに伊勢丹のデパ地下によったら、セモリナ粉があって、買っておいたので、手打ちのパスタをつくることに。うちで一人分だけなら、適当にやるところであったが、今回はSさんの送別会ということで、パスタマシーンをつかって、きちんとつくってみた。手打ちバスタは狭い家でやるのは結構大変で、レギュラーのH氏のアシストがなければ、まずできなかっただろう。きったパスタを麺棒にひっかけて暫く持ってもらってパスタを「干す」ことができた(Hさん、ありがとう!)。具沢山のフィッシュスープから出た出汁を少し煮詰めてからめたタリアテッレはなかなかだった。

最後は、またしても、T監督制作のIさんSCさんのビデオ上映会を実施。何度見てもよくできているビデオであった。

2009年6月8日月曜日

第3回サロンdeリオ:The Return of "K"

昨日、第3回サロンdeリオを開催。今回は、昔からの友人である国際金融マンのK氏が4年間のモスクワ生活を終えて帰国したばかり、ということで、K氏の帰国お祝いパーティ兼、先日ご結婚したばかりのI氏の結婚ビデオ上映会、という超豪華版。

今回の参加メンバーは、K氏とI氏に加えて、昔からの仲間である、ジャーナリストのN氏(今回初参加)、すっかりサロンdeリオの常連となった、政治家秘書のH氏、ばりばりの金融キャリアウーマンでありながらフードコーディネーターのT女史(数年ぶりの再会)、留学時代の仲間でかつて一緒にニューヨークのブティックを冷やかしたS女史、それから、今では主婦となったY女史が元気な4歳の娘さん、それからテキサス在住時代のご友人、M女史を連れての参加となり、テーマもさることながら、メンバー、人数としても過去最大規模の開催となり、大いに盛り上がった。

今回の料理としては、昨日は久しぶりに日差しの強く暑い一日となったことから、身体を冷やす効果のある夏野菜のきゅうりとトマトを多めにつかったヨーロピアン風サラダ、それから、夏らしい料理ということで、生姜とニンニクとレモンをつかったジェイミーオリバー風ソースをかけたサーロインステーキのグリル。

しかし、今回のメインは、ヨーロッパで相当お世話になった国際金融マンK氏のモスクワからの帰国に相応しい、ロシアにゆかりのある料理ということで、キエフ風チキンを初挑戦でつくってみた。

キエフ(ウクライナの首都)風チキンとは、文字通り旧ソ連のウクライナではおなじみの料理であるが、鳥の胸肉にハーブバターを詰めて、ころもをつけて油で揚げたカツレツのことである。実は、この料理、必ずしもキエフがオリジンではない。これはフランス人シェフによるアイディアで、しかもニューヨークで生まれた料理だ(モスクワでは、これはモスクワが発祥だという説もあることを補足しておく)。19世紀後半から20世紀前半のニューヨークでロシア人相手の商売をするために、あえて「キエフ風」と名付けたもの、らしい。とはいえ、今ではキエフではどこでも食べられる定番料理のひとつと言っていいだろう。

今回は、このキエフ風チキンを少々アレンジし、オリジナルのレシピからは少し離れた。まず揚げる際に、オーストリアはウィーンのシュニッツェル(子牛のカツレツ)のように、バターを多めに使って香りとコク味を出そうとした。あとは、中身をハーブバターの代わりに、チーズとベーコン、それに東京では一般的なバジル系のハーブである大葉をつかってみた。チーズを挟むのは、フランス料理でも、Le Cordon Bleuのスタイルが有名であるが、コルドンブルーはころもをつけて揚げないので、今回のは明らかにコルドンブルーではない。いずれにしても、揚げ方も中身も違うので、キエフ風、と呼べるどうかははなはだ怪しいが、一応正式名としては、大げさに"Viennese Style Chicken "Kiev" a la Salon de Rio"(ウィーンスタイルで揚げたサロンdeリオ風のチキンキエフ)としてみた(笑)。ま、味の方はまずまずで、ゲストの皆さんにも喜んで頂けたのは何より。仕込みに手間のかかる料理ではあるが、サロンdeリオ定番メニューになりそうな予感(笑)。

これに金融キャリアウーマンでフードコーディネーターのT女史が持ち寄ってくれた具沢山でハーブを効かせた洋風トマト煮込み料理が加わり、とにかく酒がよく進んだ。飲める人が集まっていたせいもあり、夜中間際に、最後スパゲッティボンゴレで締めた時点で、ワインボトル4本、ビールの缶多数がきれいに空いていた。

ビデオ上映会の方は、今回は参加できなかったが、ディレクターのT氏の最高傑作を皆で2度鑑賞。メイキングの写真集とも照合しながら、シーンの分析を行って、再び感動がよみがえった。

昔からの仲間との久しぶりの再会を祝って、日曜日の夜にも関わらず、宴は遅くまで続いた。